院長の美容コラム | 北九州 小倉の美容外科 美容皮膚科 形成外科  さくらビューティクリニック

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院長の美容コラム

サーミドライとミラドライの違いについて

どちらも効果の高い治療だと考えています。

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「サーミドライ」は、針穴から皮下に直接カニューレを挿入し、
カニューレの先端の温度を70℃に設定してターゲットとなる汗腺を
直接高周波で破壊していきます。
この高い温度が皮膚まで伝わってしまうと、皮膚がやけどしてしまうので
赤外線カメラとサーモグラフィーで皮膚の温度を測定してモニターで確認し、
皮膚表面温度が45〜48℃を超えないように冷風機を当てたりしながらコントロールします。
この時汗腺のある皮下組織は70〜75℃に達し、時々汗腺が焼ける「パチッ」という音がします。
一瞬たりとも気が抜けないので、かなり集中して施術していきます。
隙間なく汗腺を破壊していくため、治療時間はミラドライに比べると長くなってしまいますが、
皮下組織から治療できるので、
ダウンタイム(脇の腫れ、凸凹、しこり)は、ミラドライよりもずいぶん少なくなりました。

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「ミラドライ」は、マイクロ波で皮膚側から水分を多く含んだ汗腺を加熱していきます。
冷却しながら皮膚側から加熱するので、どうしてもエネルギー効率が落ちるため、
今では多くの施設が最高出力で治療を行ったり、重ね打ち照射を行っています。
その分ダウンタイムが3ヶ月くらい続くことがあります。
本来60℃まで温度が上昇するはずのミラドライですが、
温度モニターがないために皮下組織が何℃まで加熱されているか、施術者は確認することができません。
またミラドライは、機械の設定さえしておけばほぼ自動で最後まで治療できてしまうので、
今までワキガ・多汗症の治療を行ったことがない医師でもすぐに始めることが可能です。
もしどうしてもミラドライを希望される場合には、ミラドライ認定医にしてもらった方がいいと思います。
一部の施設ではカウンセラーが説明、看護師から施術、短時間で終了、
一度もドクターに会わずに終わってしまったという方もいらっしゃいました。

治療効果とダウンタイムの違いを考慮して、当院では基本的にサーミドライの方をオススメしています。
やはり70℃以上の温度で汗腺を加熱・破壊でき、かつその温度管理がきちんとできるというのは、
施術者としては安心して治療を行うことができます。

ですが、もちろんこれで汗と臭いがゼロになるわけではありません。

もし治療効果に不安がある方には、ヨードテストで脇の汗の出ている量と範囲を確認しています。
ほとんどの方は治療部位から汗があまり出なくなっているのを確認できています。

さらに高い効果を望む方、
もっと汗と臭いを減らしたい方には、
2回目の治療を比較的低価格で治療できるようにしています。

エクリン腺およびアポクリン腺を広範囲に治療できる、
術後ダウンタイムの少なさ、
治療効果の高さ、
高い満足度、
傷が残らない、
早期に日常生活に戻れるなどを考慮すると、
リスクを取ってアポクリン腺をターゲットにした「剪除法」を選択する理由は、金額面だけだと思います。

そこで2023年3月からは、サーミドライを受けやすいように治療価格を改定しました。

ところで何故「サーミドライ」を行っている施設が少ないのでしょうか?
それはミラドライのように短時間で終えることができず、2倍近い時間がかかること(クリニックの経営面では不利)、
手技が煩雑なため、慣れが必要で、術者によって治療成績に差が出てしまう可能性がある(私がこの治療を始めたときは、両ワキで3時間くらいかかっていました)
剪除法を行ったことがない医師には、手技の習得に時間がかかる、
看護師による施術はまず不可能、といったところでしょうか?

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